こちらでは、産業廃棄物の不法投棄の現状やその他産業廃棄物の取り扱いに関する法律、そして違反した場合の罰則などについてまとめています。
産業廃棄物を、正しい手続きを踏むことなく不正な方法で投棄してしまう、いわゆる「不法投棄」は、大きな社会問題のひとつです。
例えば、平成29年度では、判明している不法投棄事案だけでも163件にのぼります。平成28年度と比較すると、32件増加しています。また、トータルの投棄量は3.6万トンにおよびます。こちらも、前年度よりも0.8万トン増という状況です。不適正処理件数も同じく増加しています。また、不適正処理量については1.5万トン減とはなっているものの、問題が依然として深刻な状況であることには変わりありません。
※硫酸ピッチ・.フェロシルト事案については調査対象に含まれていません。また、数量に関しては、四捨五入した数字となっています。
廃棄物処理法に違反すると、重い罰則を受けることになります。たとえば、第32条の1では、法人が違反をした場合には、最大で3億円の罰金を科すことを規定しています。日本にはさまざまな法律がありますが、3億円という多額の罰金を科すものは、他にあまり見当たりません。廃棄物処理法違反は、とても重い罪であることがうかがわれます。
では、どういった違反行為に対して、どのくらいの罰則が科せられるのでしょうか。ここでは、その詳細についてみていきます。
都道府県や政令市による許可を得ることなく廃棄物の収集、運搬、および処分を行なうことを、無許可営業といいます。無許可営業に対しては、廃棄物処理法第25条で「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方」を科すことが定められています。
収集運搬業における範囲とは「積替え保管の有無および取り扱う産業廃棄物の種類」のことです。一方、処分業においては「処理の方法」および「取り扱う産業廃棄物の種類」がそれに該当します。ですから、例えば収集運搬業者が、それまで扱っていなかった積替保管を許可を得ずに始めるなどした場合は、罰則の対象となってしまいます。
無許可で変更したり不正な手段で許可を得たりすると、第25条が定める「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の罪」が科されます。
委託基準違反は、廃棄物の処理を委託する側である排出事業者を対象とした罰則です。一方の受託禁止違反は、処理を委託される側である処分業者や収集運搬業者が罰則の対象となります。
たとえば、都道府県・政令市による許可を得ていない業者に廃棄物の運搬をさせた排出事業者、そしてその依頼を引き受けた業者は、法律違反をしていることになります。第25条の規定に従い「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の罪」が科されます。
環境大臣の確認を受けることなく一般廃棄物や産業廃棄物を輸出すると、第25条が定めるとおり「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方の罪」が科されます。未遂の場合であっっても、罰則の対象になります。
不法投棄や不法焼却自体だけでなく、そういった行為をするための収集運搬は、第16条違反となります。違反すると「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方」が科せられます。
すでに排出事業者との間で委託契約を締結している処理業者が、処理業務を他業者に再委託をする行為は、第7条によって原則禁止されています。違反すると「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方」が科されます。
排出事業者が 廃棄物の収集、運搬および処分を業者に委託し、実際に廃棄物の処分を行う際、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付をしなかったり、あるいは交付しても必要事項が記載されていなかったりした場合には、法律違反となります。記載内容に虚偽がある場合も同様です。
これらの違反行為に対しては、第27条によって「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科されます。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、5年間保存することが法律で義務付けられています。各伝票の送付日あるいは送付を受けた日から5年間です。この規則に違反すると、第27条の定めに従い「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。
産業廃棄物の不法投棄が、土壌汚染・水質汚染の原因になることがあります。実際、不法投棄が行なわれた現場には、水質汚濁をはじめとする環境汚染問題が起こっているところもあります。一旦環境問題が発生してしまうと、それを改善するには、多額の費用や時間が必要になります。
産業廃棄物の不法投棄や不適切な取り扱いがおよぼす社会的な影響は、甚大です。不法投棄などが起こる背景には、廃棄物の最終処分場が慢性的に不足しているという問題があります。また、国内で排出される廃棄物量は現在減少傾向にありますが、問題解決に至っているとは言い難いのが実情です。
産業廃棄物事業者にとっては手間がかかる側面もありますが、地球環境を皆で守っていくためにも、各都道府県の規定に従って適切な方法で廃棄物を処分していくことが求められます。
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